
私の知り合いにも、相続で揉めてしまった方がいます。葬儀のときのトラブルがきっかけで、親戚どうしや家族の仲が悪くなってしまった、という話を耳にすることもあります。みんなのワケルは、そうした話を聞いたことが、立ち上げの大きなきっかけでした。
揉めたあとに、残るもの

先日の会合でも、ある方から、相続のトラブルで裁判になり、裁判所にも呼ばれたというお話を聞きました。その方は、相続した金額は「たいした金額ではない」と話していました。それでも、人間関係が複雑になってしまったようで、お話をされているときの目がとても寂しそうで、いまも心に残っています。
お金の大きさよりも、揉めたあとに残る人間関係のほうが、ずっと重いのかもしれない。そう感じました。
弁護士に依頼すると、相続の規模にもよりますが、着手金だけで100万円ほどかかることもあると聞きます。裁判にまで進めば、さらに多くの費用と時間がかかります。そのあいだに、嫌な思いや、わだかまりばかりが残り、結局は誰も得をしないまま、お金と時間だけが減っていく。そんなケースも、少なくありません。
調停や裁判でも、最終的には、話し合い(和解や調停の成立)で終わるケースが少なくないと言われます。お互いが歩み寄るまでに時間ばかりが過ぎ、そのあいだも弁護士費用や裁判の費用がかさみ、すっきりしない結末になることもあります。
最初から、同じ材料を見ながら話せたら

それなら、最初から、同じ基準で整理した分け方の「叩き台」を、お互いに見せ合いながら、少しずつ歩み寄っていけばいいのではないか。私はそう考えました。
- 遺産分割シミュレーター:法定相続分や遺留分の目安と、現物・代償・換価・共有といった分け方の選択肢を、金額で並べます。
- 葬儀の事前合意シート:喪主、費用、香典、形式、墓の承継について、家族それぞれの考えを見える形にします。
- 割り勘・精算ツール:気軽に使える、立て替えの精算の道具です。
どれも、結論を出すためのものではなく、話し合いのための共通の材料です。お互いが納得しやすい形で分け方を考えられる材料があれば、嫌な思いをすることも減り、少しでも多くの家族が、これからも仲良く暮らしていけるのではないか。そんな思いで、みんなのワケルをつくりました。
お願い

みんなのワケルは、結論を出すサイトではなく、弁護士・司法書士・税理士など専門家の代わりでもありません。結果は、話し合いのための参考案です。個別の判断が必要なときは、依頼する費用をきちんと用意して専門家にご相談ください。専門家の役割の違いは、専門家に相談するにはをご覧ください。そのうえで、話し合いの入り口として、ぜひ使っていただければ幸いです。
公益アクション室(Public Action Office)
室長 瀧澤 勇人
一般的な情報提供であり、法的助言・税務助言ではありません。個別の判断が必要なときは、依頼する費用をきちんと用意して、弁護士・司法書士・税理士にご相談ください。